プレイを始めたきっかけ

振り返る日本人女性

Tバックの紐が肌に食い込み、肉感的な尻の谷間を強調していた。翔子は、白いシルクのキャミソールをまとい、その肩紐が片方だけずれ落ちている。胸元は緩やかに開き、肌の上に柔らかな生地が寄り添っていた。髪は肩にかかる長さで、軽く巻いた黒髪が頬にかかり、艶やかな光をまとっている。

そのまま、四つん這いの姿勢で夫の脚の間に膝を滑らせ、顔を寄せた。

熱を帯びた夫の肉棒は、張り詰めていた。翔子はそれを愛おしげに両手で包み、指先でゆっくりと根元から撫で上げる。

「ねぇ……こんなに硬くして、どうしちゃったの? まだ舐めてないのに、こんなに」

唇をそっと添え、先端に軽くキス。次いで舌先で亀頭の縁をなぞりながら、ゆっくりと円を描いていく。夫の腰がわずかに跳ねた。

「ふふ……力抜いてていいよ。気持ちよくしてあげるから、ね?」

一方の手で睾丸を包み込み、もう一方の手は自分のTバックの奥へと忍び込ませる。くちゅ、と湿った音がして、翔子の頬がわずかに赤らんだ。

「ねぇ……わたしも、もう……濡れてきちゃった。あなたの、こうして舐めてるだけで……んっ」

唾液を絡めた唇で、先端をそっと包み込む。深くは咥えず、先端だけをじっくりと、くちゅ、ちゅぷ……と音を立てて啜る。

腰を揺らしながら、舌でカリをゆっくり撫で、時折、唇をすぼめて吸い上げる。視線は夫の目を真っすぐに見上げたまま。

「ねぇ……気持ちいいの? もっとして欲しい? なら……教えてよ。どこが好き?」

その囁きに、夫の喉が震える。堪えきれずに、低く声を漏らす。

「……あの話、してほしい」

翔子の唇が、亀頭の先端から離れ、糸を引いた。少しの沈黙ののち、ふっと笑う。

「ねぇ……またその話? 本当に好きだよね、あなた……でも、うん、いいよ。ちゃんと聞いてね?」

そして、そっと頬を夫の腿にすり寄せ、柔らかく目を閉じながら──あの夜へ、記憶が遡っていく。

──あの話とは。

彼女が一度、彼を捨てようとした、あの頃のことだ。

当時、二人は付き合い始めて半年ほど。まだ二十代前半で、恋も性も、どこか不器用だった。

翔子は好きな人ができたと秀斗に伝え、まっすぐに別れを告げた。 きちんと別れてから告白する──その筋の通し方は、翔子の誠実さと本気を物語っていた。

だが、想いを寄せた相手の男は「彼女がいる」と、あっさり断った。

その夜、翔子は一人で帰るつもりだった。だが、駅で見知らぬ男に声をかけられる。

気が抜けていた。心にぽっかりと空いた隙間を埋めるように、翔子は男と居酒屋で軽く酒を飲み、そのままラブホテルへ向かった。

案内されたのは古びた和室。 畳の匂い、年季の入った照明、使い古されたシーツ。どこか現実離れしたような空気の中に、やけに鮮明な現実感が漂っていた。

部屋に入るなり、男はキスを仕掛け、服を脱がせようとした。

翔子は「上は恥ずかしい」と言ってそれを拒んだ。その日は無駄毛の処理に自信がなかったのだ。そんな展開になるとは思ってもいなかった。

それでも、男は翔子の下着を脱がせた。

やがて男の指が、翔子の中へと差し入れられる。

彼の言葉遣いや仕草は穏やかで、どこか大人びた印象があった。

「この人に身体を許せば、きっと付き合ってくれる」── そんな淡い期待と不安のなかで、翔子は身を委ねた。

男はコンドームを取り出し、挿入した。 仰向けに寝かされた翔子を見下ろしながら、男はゆっくりと腰を動かし始めた。

「あっ……ん、っ……」

翔子は小さく声を漏らした。

だが、10分もしないうちに男は動きを止め、射精せぬまま、自らペニスを引き抜いた。

その後、翔子と男は連絡先を交換した。 だが、後日かけたその番号は「現在使われておりません」と機械的な声が返ってきた。

──それがすべてだった。

翔子は、後日復縁した秀斗に、この出来事をありのまま、静かに語った。 泣き言でも懺悔でもなく、ただの事実として、彼に伝えた。

秀斗は、その話──翔子が一夜限りの相手に身体を許したという告白──を聞いたとき、胸の奥から込み上げるような重たい感情に襲われた。

嫉妬、屈辱、悔しさ。翔子が他の男に触れられ、抱かれ、声を漏らしたという想像に、心が押しつぶされそうになった。

──けれど同時に、彼は感じてしまっていた。

なぜか、異様なほどの性的興奮が湧いてくる。

翔子が他人に身体を許し、脚を開き、知らない男を受け入れる情景が、頭から離れなかった。

あの出来事は、秀斗にとって初めての“目覚め”だった。

自分の中にあった倒錯的な性癖──他の男に自分の女を抱かせたいという、ねじれた欲望の存在に、彼はそのとき初めて気づいたのだった。

「……フェラとか、したんでしょ?」

夫の問いは、責めるものではなかった。

むしろ、それを聞いて──知って、想像して、昂ぶりたい。

翔子はそのことを、ちゃんとわかっていた。

だから唇を止めても、何の戸惑いもなかった。

ただ、一瞬だけ瞳を伏せて、静かに息を吐いた。

「……してない。ほんとにしてないよ」

声に、言い訳じみた色はない。 ただ事実を、そのまま口にしただけだった。

「駅で声かけられて……ちょっとだけ飲もうって……うん、そのまま流されて、ホテル行っちゃった」

ほんのわずか、唇を休めただけだった。

翔子は再び夫のモノに顔を近づけ、ぴとりと舌先を当てる。 ちろ、ちろ……と丁寧に円を描き、ゆっくりと口内に迎え入れる。

少しずつ深く咥え込んでいく。舌の裏でカリをなぞりながら、喉奥まで沈めるたび、夫の腹筋が震える。

「キスして……服、脱がされそうになって……でも上はイヤって言ったの」

「だって、その日……まさかそんな展開になると思ってなくて……処理、甘くて……脇、ちょっと気になっちゃって……」

唇をいったん外し、手でやさしく扱きながら、視線だけを上げる。

「下着は脱がされた。キスされながら、指……中に入れられて……」

夫の興奮が、翔子の手と唇を伝って明確に伝わってくる。

それが、彼の性癖が刺激されている証拠だと、翔子はよく知っていた。

「中、けっこう濡れてたと思う……たぶん、感じてた」

くちゅ……と再び咥え直し、ぬるりと根元まで沈める。

唇と舌を密着させたまま、上下にわずかに動かす。

「でも……クンニとか、そういうのはなかった。ほんとに」

「男の人、コンドームつけて……わたし、仰向けのまま、挿れられたの」

そして──一拍、間を置いてから。

「でもね、ずっとじゃなかった。途中で……抜かれたの。……出さなかった」

咥えたまま、小さくくすっと笑う。

それは、自分の経験を話す恥じらいと、夫を興奮させられることへの“ちょっとした誇らしさ”が滲む、甘い息だった。

翔子は知っている。

こうして話すことで、夫が満たされていくのを──

だから、何も隠さずに、すべてを与えてあげるつもりだった。

夫の息が、熱く荒くなってきたのを──翔子は唇の裏から感じ取っていた。

ピクッと跳ねる亀頭。潤みきったカリの裏筋が、舌先にぬめる。

「もう少しで……」という気配が、彼の呼吸と脈動からはっきりと伝わってくる。

けれど翔子は、ペースを緩めない。

より丁寧に、繊細に扱っていく。

舌先で裏筋をしっかりと押し撫で、喉奥にあたる位置を微妙に調整しながら、深く、深く咥えこんでいく。

そのとき──低く、ふとした声が落ちた。

「……そいつ、でかかったの?」

咥えたまま、翔子の身体がほんのわずかに反応する。

小さく肩が揺れ、目を見開いた。

数秒の沈黙。

唇を離し、透明な唾液を糸のように引いたまま、翔子は夫の目を見た。

──そして、少しだけ視線を落として、そっと首を横に振る。

「…すぐには言葉にしなかったのは、それが嘘ではなかったから。

…わかんない。触ってもないし、ちゃんと見てもない。だから……比べられないよ」

 

でも翔子は、返すことで夫がさらに昂ぶると知っていた──

夫は続ける。声は抑えているのに、どこか切実だった。

「でも……入れられて、気持ちよかったんだろ?」

翔子は、否定しなかった。

「……うん。たぶんね」

再び舌を絡めるように咥えながら、唇を閉じたまま、くちゅ……とやさしく吸い上げる。

手も添えて、根元から丹念に扱く。

「そのとき……体でつながれば、付き合ってもらえるって……本気で思ってた」

「だから……熱くなってたと思う。……わたしは」

その言葉に合わせるように、翔子は口内の圧を強める。

喉奥に届かせたまま、微細な舌の動きで夫の反応を吸い上げていく。

自分の過去を、素直に曝け出しながら──

それを、愛するこの人の欲望に変えてあげようとしていた。

翔子にとってこれは、懺悔ではない。

与える愛だった。

「なあ……そろそろ一回、いきたい」

夫の声が、喉の奥で震える。

ピクピクと痙攣を繰り返す肉棒が、限界を訴えるように翔子の唇に熱を伝えてくる。

翔子はくすっと笑い、いたずらっぽく細めた目で見上げた。

「ふふっ……もう限界?」

その目は、意地悪に見えるくらい愛おしそうで──でも、確かに男を試す女の目だった。

「限界。だからさ……もっと興奮させてくれよ」

その言葉に、翔子は一度唇を離し、先端からぬるく糸を引いたまま、にやりと口元を歪めた。

「……じゃあ、ここからは“作り話”ってことで聞いてね」

頷く彼を見て、翔子はゆっくりと姿勢を変えながら、声のトーンをわずかに低く、艶を帯びさせた。

「……ほんとはね、そのナンパの人の……すごかったの」

「あなたよりも長くて、固くて、太くて……」

ぞく、と夫の背筋が震える。翔子はそれを感じ取るように、吐息混じりに続けた。

「見ただけで息が詰まりそうなくらい……しばらく手で撫でたり、硬さを確かめるように触れてたの。じっと見つめながら、気づいたら咥えてた。夢中で」

翔子の瞳が、少し遠くを見たように潤む。まるで“嘘の中の本当”に入り込むように、ゆっくりと物語をなぞりはじめる。

「口の中、いっぱいになるくらいで……わたし、奥まで届かせようとして……むせちゃったの」

「でも、その顔がいいって……頭押さえられて……何度も、何度も、奥まで……」

その語りと同時に、翔子は再び夫の肉棒を咥える。

ゆっくりと、丁寧に、裏筋をなぞるように──喉の奥に吸い込むように。

目だけを上げて、ふっと笑った。

「ふふっ……顔、真っ赤にして……もう出そうなの? でも、ダメだよ?」

「わたしが『いいよ』って言うまで、出しちゃダメ……ね?」

そう囁くと、翔子は四つん這いに体勢を落とす。

桃のように持ち上がったヒップが、Tバックの細い紐によって谷間をくっきりと割られ、しっとりと光沢を帯びた肌を揺らしながら、彼の視線を誘うように艶やかに揺れる。

脚の付け根、割れ目の始まり。すべてが彼の視線を吸い寄せていた。

そのまま、翔子は唇を舌で濡らし、ゆっくりと先端に這わせる。

「……ねぇ、あの人のを咥えてるとき、わたし……」

「口いっぱいにして、目潤ませて、でも……すっごく嬉しかった」

「ねぇ……あなた、そういうの、好きなんでしょ?」

さらに唇を当てたまま、指先でそっと竿を撫でる。囁くように吐息を落とす。

「……その人の香り、ずっと鼻に残ってた。むせるくらい強くて……でも、不思議とイヤじゃなかったの」

「咥えてる時も……頭の中が真っ白になるくらい夢中で……止められなかった」

ちゅっ──

軽くキスを落とし、潤んだ瞳で見上げる。

その瞬間──

「ねえ……出しちゃだめって言ったよね?」

少し息を荒くしている夫に向かって、翔子はいたずらっぽく微笑む。

すっと脚を伸ばし、ゆっくりと太ももを絡めるようにして、彼の身体に絡みついた。

「ねぇ……がまんして。ちゃんと合図するまで、絶対に……出しちゃダメ」

そのまま、翔子は再び肉棒を咥えこみ、舌を根元から這わせながら、喉奥に届く直前で何度も寸止めを繰り返す。

くちゅ……ちゅっ……と湿った音を立てながら、吸って、離して、またくすぐる──

焦らしの螺旋は、まだ終わらない。

「……ねぇ、どこまで我慢できるかな?」

太ももで挟んだまま、翔子は指先で夫の脚をゆっくり撫でる。

口元には、妖しい色を浮かべた微笑。

「わたし、こうしてるだけで……あなたが苦しそうにしてるの見ると、興奮しちゃうの」

咥える直前で唇を止め、熱のこもった吐息だけをかける。

「奥まで咥えたら、きっと……すぐ出しちゃうよね?」

夫が無言でこくりと頷くと、翔子は満足そうに目を細めた。

「じゃあ……まだ、ダメ」

先端に舌をそっと這わせ、柔らかく包むように口を開くが、吸い込む直前でまた引く。

「もっと焦って、もっと感じて……わたしに壊されるくらい、我慢して」

その声は次第に囁きへと変わり、唇が触れそうで触れない距離を、ゆっくり、丁寧にさまよう。

彼の興奮を、じわじわと煽るように。

「……その人のね、カタチもすごかったの。硬くて、カリが大きく張ってて……わたし、思わずじっと見ちゃったの」

「あなたより……ずっと太かった。でもね……それが、たまらなくて……」

翔子は肉棒を撫でながら、口元を近づける。吐息だけで先端をくすぐり、じらすように笑った。

「……見た瞬間、わたし、奥まで入れたくなっちゃって……頭の中、真っ白で……気づいたら、腰まで動いてた」

「咥えたまま、わたし……自分で動いてたの」

唇を触れる寸前で止め、目を細めて、甘く笑う。

翔子はくるりと体を返すと、夫の胸元にまたがるように膝をつき、ゆっくりと顔の上に跨った。

「……ねぇ、その人の顔にも……こうやって乗ったの」

「頬や鼻に当たる感触がたまらなくて……わたし、何度も腰を押しつけちゃって……」

夫の唇に、湿り気を帯びた熱をあてがいながら、翔子は声を低くして囁く。

「舌、動かして。……そう、もっと」

「……その人、上手だったの。舌の動きも、吸い方も……わたし、腰が止まらなかった」

「あなたにも……わたしの全部、ちゃんと味わってほしいな」

翔子の身体がゆっくりと揺れるたびに、濡れた熱が頬を伝い、夫の舌が深く、追うように動く。

翔子は一度、夫の上から体をずらし、指で根元を軽くしごきながら見つめた。

先端を舐めながら、手でやさしくしごく──けれど、夫が呼吸を荒くしたところで、ふっと手を止める。

「……もう出そうだったの? でもダメ。まだ焦らせてあげる」

しばらく間を置いて、また手を添え、ゆっくりとしごきながら舌で先端をくすぐる。

「……あの人のときもね、途中で何度も止めたの。咥えながら、『出したい?』って訊いて……そのたびに焦らして」

彼の反応を見ながら、また止める。指を緩め、唇を離し、顔を寄せて──囁く。

「今度はどうかな……耐えられる? 出しちゃったら、叱るよ?」

再び指が動き出す。

今度は速度を上げて、舌で先端に円を描きながら刺激し、限界の気配を感じた瞬間──またピタリと止まる。

「だめ、まだ」

一度、深く咥えるフリをして、温度だけ伝えて直前で引く。

「……ほんとに我慢強いね、あなたって」

そしてまた、翔子は指と舌を使って、ゆっくりと──今度はやや強めに、肉棒をしごきはじめる。

手のひらが熱を捉え、唇が先端を優しく吸い、舌が裏筋を何度も往復する。

ちゅぷ、くちゅ……くちゅ……

湿った音とともに、夫の身体がびくん、とわずかに震えた。

そのタイミングを見計らって、翔子はぴたりとすべての動きを止めた。

「うん……すごくイイ顔してる。もっと気持ちよくなって」

囁くような声。

それは命令でもなく許しでもなく、ただ翔子自身の“愉しみ”として紡がれる声だった。

そのとき、夫がぽつりと呟いた。

「……本当はさ、その男……何回か中で出して……疲れて最後、途中でやめただけなんじゃないの?」

翔子の動きが止まる。

わずかに目を見開いて──すぐに口角を上げた。

「ふふ……なに、それ。ねぇ……そんなこと、想像してたの?」

少し見下ろすように潤んだ瞳で夫をとらえ、指先を再びゆっくりと動かしはじめる。

「……想像してるあなたも、すっごく可愛い」

翔子は夫のものに指を絡めながら、唇をふわりと近づける。

その吐息は、濡れているかのように熱く湿っていた。

「ねぇ……ほんとは、あの人と……もっとすごいこと、してたの」

その声は小さく、でも確かに熱を帯びていた。

まるで自分の記憶を、もう一度確かめるように。

「コンドーム、わたしが口でつけたの。先端くわえて、ゆっくり転がしながら、唇で押し込むの……」

「そのままゴムの上から、口で愛撫した。……舌を這わせて、柔らかく吸って……」

くちゅ、ちゅう……と、今、目の前のあなたにも再現するように翔子は唇を落とす。

「わたしの口の中で、更に固くなっていくのが分かって……それが嬉しくて」

「それから……挿れてもらった。正常位。あの人の大きなのが、ゆっくり……わたしの中、押し開いて入ってくる感覚、はっきり覚えてる」

翔子の瞳が潤む。

恥ずかしい、でも興奮してる──その微妙な狭間の表情が、今の彼女の口から出る言葉に信憑性を与えていた。

「一番奥まで入った瞬間……ね、あの人、“アアアッ”て……ちょっと情けない声出して」

「すぐに……ゴム越しに、びくびくって脈打って……中に熱いのが溜まっていくの、感じたの」

「ねぇ……どんな顔で出してたと思う? わたしに、包まれて……勝手に絶頂してる顔。ふふ」

翔子は手を止めない。

先端を優しく啜りながら、さらに囁く。

「それから……わたし、ゴム外して……唇でなぞって、精子、舐め取ったの」

「まだ熱の残ってるの、口の中で感じながら、飲んで……そのままキスしたの。舌、絡めて……彼の味、分けてあげた」

「胸、舐めてもらって……乳首、吸われて。わたしも、彼の乳首、舐め返したの。お互い、舐め合ってた」

翔子の声が、さらに深く沈んでいく。

「でね、しばらくしたら、また……立ってきたの。だから、わたし、もう一回咥えて……しっかり勃たせて」

「今度はわたしが上。手で、彼の大きなモノを持って……腰を下ろして、挿れて……」

「自分で動いた。前後に強く……奥まで届かせて……ときどき腰、回転させて」

「ねぇ……中で擦れるの。子宮の入口。そこにカリが当たるのが、すごくて……わたし、もう、止まらなかった」

「激しくパンパンって叩きつけたら、彼がまた声出して……“あっ、あっ、イクッ”て……わたしの下で震えてた」

翔子の唇が再び吸い上げる。

じゅるっ……と水音が立ち、今まさに翔子の舌が“感じてる”ような気配すらあった。

「三回目は……彼の腕枕でゆっくり休んでから。もう一度、上に乗って……」

囁きながら、翔子は唇を少しだけ緩めて、吐息をふっと漏らす。

すでに熱を帯びきった夫の先端を指でなぞりながら、ゆっくりと語り続ける。

「もう……わたしも、その気になっちゃってて」

「彼の上にまたがって、大きくなったモノを手で持って、自分で……ゆっくり腰を落として挿れたの」

「最初は、奥まで届く感触だけでゾクゾクして……ゆっくり……ほんとに、丁寧に腰を動かして……」

翔子の腰が、記憶に引かれるように、わずかに揺れた。

「ねぇ……わたし、そのとき……男に跨がりながら、二回……イっちゃったの」

「一回目は……奥のほう、擦れるたびに、ビリビリきて……自分で上下してるだけなのに、脚の内側が震えて……」

「『あ、これ……おかしくなりそう』って思った瞬間……一気に、腰が止まらなくなって……」

翔子の瞳が潤む。

自分の中で起こった震えを、もう一度なぞるように。

「最初は震えるだけだったのに、すぐ……奥がギュウッて勝手に締まって……カラダが勝手に……動いて……」

「胸の先も、じわじわ熱くなって……息も止まるくらい、イったの。自分で、自分の中擦って、自分で昇っていった」

「彼の上で……ちょっと泣きそうな声、出たの」

翔子は夫のものにそっと唇を重ね、舌先でじゅるりと舐め上げる。

そして、もう一度吸い込む──ぴた、と喉奥の手前で止め、再び言葉を紡ぐ。

「……それだけじゃ、終わらなかったの」

「一度イったあとも、腰……止まらなくて。もっと、欲しくなっちゃって……擦って、回して……」

「そしたら……奥のほう、カリが当たるたびに、また同じところが痺れてきて……」

「二回目は……声、出しちゃった。『あっ……だめ……また……』って」

「彼の胸に手をついて、爪立てて……腰、くいくいって、自分から動かして……」

翔子の声が、震えを含んで低くなる。

羞恥ではなく──快感を思い出す声だった。

「奥がヒクヒクして……ずっと、びくびくって震えてて……恥ずかしいくらい、じゅくじゅくしてた」

「その時のわたし……自分でも怖いくらい、気持ちよくなってた。まるで、媚薬飲まされたみたいに」

翔子は目を細め、指先で夫の根元をきゅっと締める。

「自分で男にまたがって、二回も絶頂して……わたしの中、ぐちゅぐちゅ鳴ってて……腰、止まらなくて」

翔子は唇を離し、濡れた糸を引きながら、そっと囁く。

翔子は唇をそっと滑らせながら、夫の反応をじっくり味わうように、ゆっくりと話を続けた。

「……二回、イかせてもらったからね。そのお礼っていうか……ちゃんと、してあげたの」

「彼のを……もう一回、咥えて。ちょっと強めに、激しく……」

ちゅっ、くちゅっ……と、再現するような音が響く。

「先端、吸い込んで……根元、ぎゅって締めながら……」

「そしたら……あっという間に出ちゃった。ぴゅっ、ぴゅって勢いよくて……でも、少し薄かったかも」

唇を離し、翔子はくすっと笑う。

「何回も出してるから、そうなるよね……でも、それでもちゃんと達してくれたのが、嬉しくて」

「そのあとも……もう一回、口で元気にしてあげたの。今度はゆっくり、ていねいに」

「舌でなぞって、頬すり寄せて……ちゃんと勃たせてから、またゴムつけて……」

「今度は……正常位。わたし、脚をひらいて……ちゃんと挿れてもらったよ」

翔子は指先で夫の竿をしごきながら、目を細めて微笑む。

「でも……さすがに疲れてたのかな」

「だんだん、動きがゆっくりになって……途中で、ふっと、力抜けちゃって……」

「挿れたまま、少し揺れたあと……すうって抜けちゃったの」

「……でもね、それもなんか……嫌じゃなかった。むしろ、ああ、本当に出し切ったんだなって」

「わたしを満足させようとしてくれてたの、ちゃんとわかってたから」

翔子はそう言って、夫の目をそっと見上げた。

「……ねぇ、あなたも……わたしに、いっぱい気持ちよくなってほしいんでしょ?」

「あなたの気持ち、ちゃんと伝わってきてた。だから……うん、今度は、わたしがしてあげる番だよね」

翔子は、ゆっくりと夫のものに唇を添えながら、今までとは違うやわらかい表情で見上げた。

挑発でも、からかいでもない。

ただ、愛しさと満たしてあげたいという気持ちが、その瞳ににじんでいる。

「……ねぇ、もう頑張らなくていいよ」

囁く声は、まるで恋人におやすみを言うときのような優しさだった。

「たくさん聞いてくれて……ちゃんと、感じてくれて……嬉しかった」

「わたしのこと……全部受け止めてくれて、ありがとう」

そう言いながら、翔子は再び、夫のものを深く咥える。

今度は、焦らさない。迷いもなく、包み込むように。

喉奥までゆっくりと含み、舌の裏で亀頭をなぞりながら、ぴったりと密着させて、優しく動かす。

くちゅ、ちゅぷ……

小さく湿った音が、二人だけの静かな部屋にやわらかく響いた。

「……もう、いいよ。出して」

唇を離した瞬間、そう囁いた。

それはまるで、許しであり、祝福のようでもあった。

「わたしがぜんぶ受け止めてあげるから……ね、安心して」

翔子は今度は手を添え、根元から優しく、しっかりとしごきながら、先端に唇を戻す。

吐息を混ぜながら、ぬめるように包み込む。

「あなたの……そのまま、ちょうだい?」

再び口内に沈め、上下を滑らかに繰り返す。 その動きには、一切の焦らしも支配もない──ただ、“気持ちよくなってほしい”という、真っすぐな思いだけ。

翔子の喉が、抑えきれない熱でくっと鳴る。

その瞬間、夫の身体が跳ねるように震え、彼女の口内に温かくて濃いものが一気に溢れ出した。

翔子は目を閉じ、ゆっくりとそのすべてを受け止める。 驚きも、嫌悪もなく。 愛する人が、気持ちよくなってくれたことが、何より嬉しくて。

「……すごかったね。いっぱい……我慢してたんだね」

唇を離し、糸を引いた先端にちゅっと優しくキスを落とす。 翔子は頬を寄せながら、夫の胸に手を添えて、静かに囁いた。

「大好き……あなた」

翔子が夫の熱をすべて飲み干し、口を離したとき、部屋の空気はどこか柔らかく満ちていた。 唇の端に残った温もりをそっと指で拭いながら、翔子は夫の胸元に頬を寄せた。

「……すっきりした?」

その囁きは、母性にも似た優しさを帯びていた。

だが次の瞬間、夫の手がそっと翔子の肩に回り、指先が彼女の髪をゆっくりと撫ではじめる。 その手は首筋から背中、腰、太ももへと優しく滑り落ち──やがて、Tバックの紐の奥へ。

「……今度は、俺の番」

そう言って、夫は体を起こし、翔子をそっと仰向けに寝かせる。 キスを落としながら、じんわりと温めるように、胸元をゆっくりと撫でる。

「ねぇ……ほんとにきれいだよ」

その言葉とともに、ブラをずらして乳首に口づける。 翔子の肌がわずかに震えた。

そして、夫は体を重ね、脚を開かせながら、ゆっくりと自身を挿れた。 ぐぷ……っと、翔子の中へと侵入していく。 彼女は軽く眉を寄せながらも、それを静かに受け止めていく。

「……気持ちいい」

吐息とともにそう呟くと、夫はゆっくりと腰を動かしはじめた。 翔子はその動きに合わせて、浅く息を漏らし、眉をひそめる。

「……んっ……っ」

奥を押し広げられる感覚がじわじわと身体に染み入り、翔子の脚がわずかに震えた。 膣壁が熱を帯びて締まり、翔子は無意識にシーツを握る。 快楽と羞恥が交差する中、彼女は目を細めて夫を見上げた。

その合間──静かな声で、彼は言った。

「ねぇ……もし、翔子が嫌じゃなければでいいんだけど……」 「……他の男と……イチャイチャしてるところ、見てみたいんだ」

その言葉に、翔子の目がふと揺れる。 腰の動きを止めたくなるほどの一瞬の沈黙。 中に残る熱が、わずかに揺れて息が詰まる。

「……見たい、の?」

問いかけながら、膣の奥でまだ感じている温もりが翔子の身体を包んでいた。

夫はすぐに慌てず、ただ穏やかに、手を翔子の頬に添えた。

「うん。翔子が楽しんでるとこ、見れたら……きっと俺、嬉しいと思う」

その優しい目に、翔子は小さく息を吸ってから、ほんの少しだけ笑った。

「……うん。びっくりしたけど……チョットくらいなら……できるかもしれない」 「あなたがちゃんと、そばにいてくれるなら……」

そう返す声には、微かな吐息が混じっていた。 奥で脈打つ快感の余韻が、翔子の意識を静かに溶かしていく。

その答えに、夫の腰が静かにまた動き出す。 ゆっくり、優しく、まるで翔子のその言葉への感謝を伝えるように。

きっかけは、ほんの小さな会話だった。 過去の出来事を打ち明け合い、その記憶を共有しながら──翔子は夫の中にある欲望を、そっと見つけた。

「もし、嫌じゃなければ……」

彼の言葉に、翔子は少しだけ戸惑いながらも、それでも静かに頷いた。

愛されていると分かっていたから。 何より、彼が求めるものを与えることで、もっと深く、もっと本能的に愛される気がした。

誰にも話せないような倒錯。 誰にも許されないような欲望。

けれど、それを二人で育てていけるのなら──それはきっと、“夫婦だけの快楽”になる。

それが、すべての始まりだった。

翔子が、夫のために他の男たちを快楽へと導く“プレイ”が──こうして、静かに幕を開けたのだった。

▶︎ 続きはこちら:翔子の最初のプレイ【前編】

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